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序話
 
 なりたい自分は気高くて、本当の自分は卑怯で。

 なりたい自分は勇敢で、本当の自分は臆病で。

 なりたい自分は強くって、本当の自分は弱くって。

 なりたい自分は笑顔が絶えなくて、本当の自分は泣き虫で。

 なりたい自分は理想の塊。本当の自分はコンプレックスの塊。



――――「自分」なんて、嫌いだった――――。


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