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<和俊誕生日>



6月28日
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 委員会に参加していたために外はもう真っ暗。教室にも誰もいない。
 さっさと帰ろうと和俊は自席に近付きリュックを持ち上げた。すると、ころん、と何かが床に落ちる。
一体何かとリュックを片方の肩に担ぎながら拾い上げると、それは簡素なラッピングのされた箱。
今日が誕生日の和俊にはラッピングされた物を貰う覚えはある。しかしこの箱ははじめて見る物だ。
手の中でいじくりながらそれを眺めていた和俊は、不意にぽつりと呟いた。

「どうせ渡すならさっくんたちと一緒に渡せばいいのに。面倒だねゆーいちくん」

 素っ気無い包み。隠すような置き方。思いつくのは「自分は関係ない」とそっぽを向いていた素直じゃない友人。
和俊は箱を適当にリュックに詰め込む。そして、ライトが差し込みまだ明るかった教室から電灯の灯らない
暗い廊下へと出て行った。


   和俊の誕生日です。

  男の子は基本的に自他の誕生日とか気にしないと言われましたが多分咲也とかは兄弟多いし聖は祝い事好きなので
  普通に祝ってると思います。
  悠一も一応気にはしているしプレゼントもちゃんと用意しているんですが直接渡すのは気恥ずかしくて結局こっそりと
  置いて済ませた感じです。
  (*・A・){カズ冷静やなー


  というわけで和俊誕生日おめでとう!



  背景素材→異教徒たちの踊り


  2011/07/18

<悠一&陽菜乃誕生日> 


7月20日
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陽菜乃「悠一くん、はいこれ」
悠一 「…………あ?」
陽菜乃「お誕生日おめでとう。プレゼント」
悠一 「……おお」
陽菜乃「帰ったら開けてね。じゃあぼくは部活があるから。じゃあね」
悠一 「…………」(ぐいっ)
陽菜乃「え?」


悠一 「…………」
陽菜乃「え? え? 悠一くんこれ――――」
悠一 「お前も今日誕生日だろ。……やるよ」
陽菜乃「……覚えてて、くれたんだ……」
悠一 「っ俺と同じ日だったから覚えてただけだ!」
陽菜乃「うん、それでも嬉しいよ。ありがとう、悠一くん」
悠一 「………………ああ」

  悠一と陽菜乃の誕生日です。
  とあるストーリーを書きたいがためにこのふたりの誕生日を同じにしてみました。

  今回、ひなちゃんは貰えるとは思っていなかったので考えていたのはいつ渡すか。
  悠一の方は律儀なひなちゃんのことだから貰えるだろうと思っているので、むしろ自分が
  どう渡すかで悩んでました。

  結局迷って悩んで放課後になってしまい、そういえば貰えなかったなって思ってたら
  貰えた感じです。で、もう放課後だから今じゃないとあげられないー、と比較的あっさりと
  デレた悠一でした。甘々なのはそういう時間制限ゆえということでここはひとつΣ

  ちなみに友人たちにしっかり覗かれてます。たぶんみんなニマニマしつつ見てると思う((
  バレてぶっ飛ばされるんだろうなと遠い目←



  というわけで悠一&ひなちゃん誕生日おめでとう!



  2011/07/24

<聖誕生日> 



  8月13日
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悠一 「……おい、どこまで付いてくる気だよ」
聖  「えー? 家」
悠一 「いや自分ち帰れよ」
聖  「優美ねーちゃんに来たら飯作ってやるって言われてっし」
悠一 「聞いてねぇぞくそ姉貴……」
聖  「それにまだ悠からプレゼントもらってねーじゃん」
悠一 「はぁ? お前学校で色んな奴からもらってんだろ」
聖  「悠から貰ってないじゃん。ほれ、優しい幼馴染に愛の手を」
悠一 「〜〜、どうせやらなかったらしつこくせびってくんだろ。相変わらず神経極太だなお前」
聖  「いやそんな」
悠一 「1ミリたりとも褒めてねぇ」



  聖の誕生日です。
  聖の体系間違いすぎて見直すと死にたくなる1品orz


  えーと、「誕生日に人の家で?」って感じですが、聖の家は色々と忙しいので、当日に祝える年と祝えない年があります。
  ちなみにこの年は当日に祝えない年だったので優美子おねーさんが気を利かせた感じです。 
  東原家と榊野家は何気に家族ぐるみのお付き合いがあるのでその辺りのやりとりもあっさりしてます。

  優美子「今年うちで食べさせましょうか?」
  聖ママ「あらいいの優美ちゃん? じゃあお言葉に甘えちゃいましょーかね。今度お礼に食事に連れて行ってあげるからね」

  みたいな。


  そして悠一にプレゼントをせびるなんて怖いもの知らずな真似をしていますが、なんだかんだで結局悠一は
  毎年プレゼントをあげているので聖もそれを分かった上での行動です。
  恐らく図星をついても引き下がらせないでいられるのは聖だけ。



 というわけで聖誕生日おめでとう!



  2011/09/18


<優美子誕生日> 




9月8日
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 夜景を見ていると、不意に肩を抱かれた。珍しいと思っていたら頬にキスを落とされる。
 やっぱり珍しいと驚いて彼を見上げると少し赤い顔で、「やっぱりまずかった?」なんて眉をハの字にして笑いかけてきた。

「そうね、まずいわ」

 「そんなことない」と返そうとも思ったけれどすぐに思い直してそう答える。尾の下がった犬のようにしょんぼりして謝ってくる様子に可愛さと笑みを覚えながら、襟元を無理に引っ張って彼を引き寄せ、されたのと同じように頬にキスをしてみた。

 驚いたような顔をする彼に私は唇の横に指を一本当てて微笑みかける。

「ムードとキスする場所が合ってないのは赤点よ」

 そう言ってウインクを投げると、また肩に手が伸びる。今度は両肩。彼の緊張した顔は真正面。


 そうそう、それで合格なの。


 私は来たるべき時を待ち、静かにまぶたを下ろした。




優美子の誕生日です。
若槻にしては珍しくラブい感じの仕上がりです。
ちなみにお相手は「ジュリエットとは呼ばないで」の秀雄ですね。え? い、いますよ!? 目立たないけどちゃんといるよΣ;



ちなみにこの後しばらく出来なくて結局優美子おねーさんにどやされてようやくキス出来た秀雄さんです。
ヘタレじゃないけど緊張しぃだから、さらっとやるのは平気だけどこう改まると固まっちゃうのです。……あれ? ヘタレか?



学生時代から「薔薇の女王」と呼び称されていた優美子は秀雄以上の男からもたくさん言い寄られています。
それでも彼女が選んだのは、容姿じゃなくてその心を、その強さを、その弱さを見抜いて支えの手を伸ばしてくれた彼でした。
……このふたりの話もいずれ書きましょう(´∀`*)



東原姉弟は両方恋愛難しいタイプですが、元々の柔軟性からいうと優美子の方が簡単です。

悠一はツンデレと天邪鬼と小学生並みの恋愛感、さらに女性嫌いがあるので大変難しいですが、優美子は単純に
言い寄ってくる男が多すぎて鬱陶しくなっていただけですから



何はともあれ、優美子誕生日おめでとう!



  2011/09/18
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